【総 評】 各地で熱い戦いを繰り広げてきたトライアングルチャンピオンシップも このJAPANファイナル「ジオランダーCUP」で一年を締めくくる。 会場は5年連続で富山での開催となり、もはやここはJAPANファイナルの聖地と 呼ぶにふさわしい場所だ。 このJAPANファイナルにエントリーが許されるのは全国6デヴィジョンを勝ち抜いた アンダー71クラスの7チームとオーバー71クラスの18チームだけだ。 前夜祭として開催される恒例のウエルカムパーティーには主役であるエントラントは勿論、 応援に駆けつけた仲間や家族、全国から選抜されたオフィシャル、さらにこの大会を バックUPしてくれている協賛各社、そしてメディアと総勢200名にも及ぶ 盛大なパーティーとなった。
先乗りオフィシャル隊は金曜日からコースに入る。もちろんファイナルに ふさわしいコースを作り上げることが第一の目的だが、ウエルカムパーティーが スムーズに進行できるように表彰状やトロフィーの用意、そして当日のイベントを コントローするオフィシャルの配置を決める作業など、夜も仕事が待っている。 今回は精鋭6名が先乗りオフィシャル隊として参加してくれた。
決戦当日はやはり雨。せめてもの救いといえば暖かい事ぐらい。 特に今年は午前中に行う第1セクションと第2セクションでは雨が降らない 予報であった。当日の朝の予報もそうであった。 しかし、ファイナルの女神はそれを許してはくれなかった。 時間を計っているかのようにゲートオープンには雨が降り出した。
ファイナルでは午前中に行う第1、第2セクションが予選となる。 ここでふるいにかけられるのだ。 決勝となる第3セクションの出走が許されるのはオーバー71クラスが11チーム、 そしてアンダー71クラスが4チームだけである。 さらにスタートを待つチームと競技を終えたチームが別々に隔離され ライバル達の走りを見ることが一切できない。自分たちで考えた作戦の他はなく 自分たちを信じること以外に攻略の糸口はないのだ。
第1セクションはゴールできたのが僅か6チームと、雨の影響を受け大苦戦を強いられた。 しかし、ウインチを巧みに使い、難所である林間を抜けてくるチームがあるなど さすがに強者揃い。 林間を降りるとモーグルがあるが、ここに打ち込まれたポールに以外にも苦戦する姿が多かった。 やはり他チームの走りを見られない影響なのか、いわゆるトラップに掛かったように ヤバイラインからアプローチするケースが目立った。 アプローチさえ間違わなければセーフティだったはずだ。 このセクションをタイム、マーカーポイント共にパーフェクトを獲得したのがオーバー71クラスの 「リンエイ☆ブルドッグ」。見事38ポイントを獲得。アンダー71クラスでは「CROSS-AB型」が 34ポイントを獲得した。
第2セクションはマーカーポイントが全てヒルクライムに設定された。但し、登りで取るのか? 下りながら取るのか?その選択でタイムに差が出る設定だった。 撃沈ポールの数は少ない設定だったが、そこはファイナル、コーステープを微妙に調整して 視覚的な安心感を持たせながら実はヤバイという設定を行った。 中間チャックポイントは上からのアプローチはセーフティだが、下からアプローチすると 失格のリスクが高まったはずだ。必ず1台が単独で動き、誘導がつけられない状況に する。コースが比較的広いだけにチーム内の指示伝達を分断するというのが我々の狙いだった。 オーバー71クラスでこのセクションを制したのは「ニューエントリー」。 北海道の暴れん坊が実力通りに30ポイントを獲得、アンダー71クラスでは 「チームジムニー3兄弟岡崎」がフルポイントを獲得したのが利いてTOTAL35ポイントとして このセクションを制した。
そして決勝となる第3セクションは予選リザルトのトップチームからスタートする。 まずファーストアタックはアンダー71クラスの予選トップの「TEAM , SPECIAL PRESENTS」。 そしてオーバー71クラスの「リンエイ☆ブルドッグ」が続くも、深く、しかもクランクした V字をなかなか攻略できない。ウインチを駆使してトライするも、時間だけは刻まれていく。 やがて日も暮れ、昨年と同じようにナイトランとなってしまった。 結果、全てのチームが第3セクションをクリアすることが出来なかったが、予選トップの チームが失格しても尚、果敢にV字を攻め、3ポイントを取りに行った上位チームの姿には 正直感動した。 選択肢は他にもあったはずだ。エスケープすればゴールできただろう。 いや、必ずゴールできたはずだ。 しかし、エスケープという選択肢を選ばなかった上位チームのチャレンジには 「リンエイ☆ブルドッグ」を倒してこそ、ここを登りってこそ真の日本一だいう闘志が漲っていた。 2年連続で予選トップを獲得した「リンエイ☆ブルドッグ」。それだけ彼らは強かった。 真の日本一にふさわしいすばらしい走りだった。本当におめでとう!
そしてアンダー71クラスの優勝は「TEAM , SPECIAL PRESENTS」。 アンダー71クラスで唯一2つのセクションをクリアした走りは無駄がなく 見事だった。またきれいにペイントされたジムニーは美しかった。
毎年、様々なプランを考え、いろいろな状況に対応できるようなコース設定を 行っている。シリーズ戦とはひと味違うファイナルらしいコース。 それは、ただ単に険しいコースではなく、作戦的にレベルの高い、そして誘導を含む リカバリー技術を問う戦いを想定している。 普段は使うことがないコスモスポーツランドは我々コースメイクした者にとっても 手強いコースといえるのだ。
そして、日没まで、しかも悪天候の中イベントをコントロールしてくれたオフィシャルの皆さん、 月並みですが本当にありがとうございました。 感謝以外の言葉は見つかりません。皆さんから頂くご意見やご要望を、我々主催サイドとしては 少しずつではありますがクリアして、皆さんと共に楽しい時間を共有できるように 努めて参りますので、来シーズンもトライアングルをよろしくお願いします。
最後に、今年一年、トライアングルチャンピオンシップを力強くバックアップしてくださった スポンサー各社様、そして各媒体の皆様本当にありがとうございました。 「継続は力なり」四駆でオフロードを楽しんでくれるユーザーが存在する限り このトライアングルシリーズは前進して行きます。 今後とも変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
トライアングル運営事務局 運営事務局長 村松 武
☆リザルトはコチラ! http://www.geolandar.jp/try-angle/database/sh_data/16_59_2.pdf
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